禁煙生活をはじめよう

たばこには、さまざまな有害物質が含まれており、ニコチンによる依存性も指摘されています。さらに、喫煙者本人だけでなく、周囲の人の健康にも害を及ぼすことが明らかになっています。最近では、禁煙外来の増加や禁煙治療に内服薬が加わったことにより、より禁煙しやすい環境が整っています。自分だけでなく周りの人のためにも、どうか一刻も早い禁煙を!

どれだけ知ってる?たばこの害

たばこの煙には、約200種類もの有害物質が含まれており、そのうちの約40種類が発がん物質です。なかでももっとも有害性が高いのがニコチン、タール、一酸化炭素の3つです。これらの有害物質を吸い込むことによって、体にさまざまな悪影響が生じています。

依存性がある ニコチン
中枢神経に興奮と抑制が起こり、これが体と心に強い依存性をもたらす。体内で発がん物質を作り出す作用も。
発がん物質たっぷりな タール
タールには数十種類の発がん物質や、がんの発生をうながす促進物質、がんの発生を助ける補助物質が含まれている。気管支炎など呼吸器の病気が起こりやすくなる。
においがなくても有害 一酸化炭素
血液中のヘモグロビンと結びついて酸素を運びにくくするため、体が軽い酸欠状態になる。動脈硬化・心臓病などが起こりやすくなる。

喫煙はさまざまな病気を引き起こす

喫煙による病気の代表は、「煙の通過点」である咽頭、喉頭、肺がんです。また、心筋梗塞や脳卒中などの循環器病などさまざまな病気を引き起こします。

喫煙が招く病気

がん
喉頭がん・肺がん・咽頭がん・食道がん・口腔がん・膀胱がん・すい臓がん・肝臓がん・胃がんなど
循環器の病気
動脈硬化・高血圧・心筋梗塞・狭心症・脳卒中
呼吸器の病気
気管支炎・肺気腫・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
胃腸の病気
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
その他
皮膚の老化・シミ、シワ・脱毛・歯周病

吸わない人にたはごの害が!受動喫煙のことをもっと知ろう!

たばこを吸わない人が、喫煙者の近くにいることでたばこの煙を吸わされてしまうことを「受動喫煙」といいます。とくにたばこの先から出る「副流煙」には、喫煙者が吸い込む「主流煙」よりも多くの有害物質が含まれています。喫煙者は、家族や周囲のさまざまな人の健康をも脅かしていることを、きちんと理解しましょう。

禁煙に挑戦しよう!

一昔前まで、禁煙は辛く苦しいものというイメージが強くありました。しかし、現在は医学の進歩によって、ラクに楽しくできる禁煙が可能になっています。「禁煙治療」や「禁煙補助薬」を上手に使い、禁煙をはじめてみませんか?

活用しよう!禁煙補助薬

ニコチンガム
ニコチン入りのガムをかむことによって、ニコチン切れを紛らわします。薬局で購入することができます。
ニコチンパッチ
パッチを皮膚に貼って使用します。ニコチンを少しずつ補給してニコチン切れの症状をやわらげます。禁煙外来などの保険診療で入手することができますが、小さいサイズは薬局で購入することもできます。
バレニクリン(飲み薬)
内服の禁煙治療薬です。禁煙外来で処方され、保険診療で治療を受けることができます。脳内のニコチンレセプターに働き、ニコチン切れ症状を軽くし、たばこをおいしいと感じにくくします。

若い頃からの喫煙はキケン!未成年者の喫煙を防ごう!

未成年者の喫煙は、単に法律上で禁止されているからいけない、というものではありません。未成年という成長期の体は新陳代謝が活発で、たばこの有害物質が取り込まれやすくなっています。また、吸いはじめが早ければ、それだけ長期間にわたって喫煙することになり、将来病気を発症する危険性が高くなるのです。

川崎市医師会 ほほえみがえし Vol12 より