高血圧症といわれたら・・・
高血圧症とは・・・
高血圧症は、何らかの原因で血圧が基準値より高くなった状態をいいます。ほとんどの場合自覚症状はありませんが、頭痛や肩の凝り、めまい等が起こる事もあります。高血圧が続くと、全身の血管の動脈硬化が進み、さまざまな障害が出てきます。突然、脳卒中や心臓発作を起こすこともあるため、「サイレントキラー」と呼ばれるほどです。
成人における血圧値の分類mmHg
- 分類
- 収縮期血圧(最大血圧)
- 拡張期血圧(最小血圧)
- 至適血圧
- <120 かつ<80
- 正常血圧
- <130 かつ <85
- 正常高値血圧
- 130~139 または 85~89
- 軽症高血圧
- 140~159 または 90~99
- 中等症高血圧
- 160~179 または 100~109
- 重症高血圧
- ≧180 または ≧110
- 収縮期高血圧
- ≧140 かつ <90
(※日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2009より)
原因は・・・
高血圧の9割は原因が明らかでない本態性高血圧です。しかし、遺伝的体質に食塩摂取過剰、肥満、アルコールの多飲、ストレスなどの生活環境の因子が重なって起こるとみられています。
治療の方法は・・・
生活習慣の修正を基本に、リスクの度合いによって薬物療法が加わります。遺伝的体質のある方も、食事や嗜好品を中心に生活環境を整えることは重要です。
- 適度な運動をする
- 肥満があれば減量する
- 食事に気をつける
- ストレスと上手につきあう
- タバコは吸わないようにする
塩分を減らし、食生活全体のバランスに注意します
- ポイント1
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塩分は1日6g未満に
食卓で使う塩や醤油、ソースの量を減らすだけでなく、加工食品や外食の回数を減らしたり、家での料理に一工夫することがポイントです。 - ポイント2
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カリウムをじゅうぶんにとりましょう
カリウムは、食塩の成分であるナトリウムと一緒に体外に排泄されるので、しっかりとりたい栄養素です。カリウムが豊富でナトリウムが少ない野菜類を毎食、果実は1日1回食べるようにしましょう。
※腎機能が低下している方は、カリウムをひかえる必要があります。医師・管理栄養士に相談して下さい。 - ポイント3
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動物性食品と植物性食品のバランスをとりましょう
動脈硬化の進行を防ぐためには、たんぱく質を過不足なくとること、動物性食品に多く含まれる飽和脂肪酸のとりすぎを防ぐことなどが大切です。また、動物性食品も植物性食品もいろいろとりまぜることで各食品に含まれるビタミン類(カルシウムやマグネシウムなど)のバランスがよくなります。 - ポイント4
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適正エネルギーで肥満解消
肥満がある場合は、減量するだけで血圧が下がることも多いのです。現在肥満がない場合でも、エネルギーをとりすぎないようにしましょう。 - ポイント5
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アルコールは賢く
アルコールは、適量の範囲を守り、毎日飲まないようにしましょう。普段飲む習慣のない人やからだに合わない人は、あえて飲む必要はありません。
食事療法Q&A
- Q1 外食のときのコツは何ですか?
- A1 外食で注意したいのは、塩分と栄養バランスです。ソースやしょうゆは少なめにかける、漬物は残すようにする、みそ汁の汁は1~2口残すようにする・・・これで1.5gぐらい減塩できます。栄養バランスをとるには、丼ものや麺類のような単品より、定食スタイルを選ぶことがポイントになります。
- Q2 汗をかいたら塩分はとった方がいいのでは?
- A2 汗をかいたら水分は補給したほうがよいのですが、長時間にわたる運動で大量に汗をかくとき以外は塩分は考えなくても大丈夫です。むしろ塩分はすぐ過剰にとってしまうため、運動選手では塩分濃度を0.1~0.2%くらいに調製した水を補給するという方法で水分と塩分をとっています。みそ汁の塩分が1%ですからかなり薄いことが想像できるでしょう。
- Q3 塩分ひかえめや減塩の表示のある食品なら安心?
- A3 「減塩」「低塩」「塩分ひかえめ」など、いろいろ複雑でわかりにくいかもしれませんが、とにかく製品のナトリウム量をしっかりチェックすることが肝心。食塩はナトリウムの約2.5倍に相当しますので、たとえば製品1人前にナトリウムが200mg含まれていれば塩分は200mg☓2.5=500mg(0.5g)>ただし、表示につられて塩分を抑えたつもりでも、たくさん食べれば同じことなのでご注意を!
万有製薬パンフレットより